虫歯を予防しよう!
虫歯になりやすい人とは?
虫歯は感染症であり、かつ生活習慣病でもあることから、次のような人がカリエスリスクが高い(虫歯になりやすい)人といえます。
また、年齢によって歯の質や口の中の環境も変わるため、虫歯に対するリスクも変化します。
ミュータンス菌が多い
口は体の入り口であるため、外からの病原体の侵入を阻止するために、多くの常在菌が存在します。それらの細菌数に対して、ミュータンス菌など、虫歯の原因となる菌の数が増えれば増えるほど、
虫歯のリスクは大きくなります。
つまり、口の中のすべての細菌が悪いのものではなく、相対的なミュータンス菌の量が問題となるのです。
ミュータンス菌は虫歯の原因となるバイオフィルム※を作り出します。
それでは、自分のミュータンス菌の数はどうすれば分かるのでしょう?
カリエスリスク検査でミュータンス菌の数を知ることができます。
カリエスリスク検査
唾液を検体としてミュータンス菌の数を調べる方法です。
検査は15分ほどで済む簡単なものです。
1週間から10日ほどで結果が届きます。
検査1回・・・5,250円(税込)
食生活が不規則
1日のうち、決まった時間に3食規則正しく食べる人と、時間を決めずにだらだらと食べる人では、カリエスリスクはまったくちがいます。
それは脱灰と再石灰化の時間の違いによるものです。
下に再石灰化と脱灰の流れを示してあります。
1日3食(食後にデザート1回)の人の脱灰曲線
好きな時間に好きなものを食べる人の脱灰曲線
食後には必ず口の中のphが下がり、酸性に傾きます。
そして時間がたつともとに回復していきます。
しかし、しょっちゅう何かを口にすると、phが回復するまもなく、また酸性に傾くので、つねに脱灰しやすい環境にさらされていることになります。そのため、虫歯になりやすいのです。
甘いものが好き!
ほとんどの食品に糖質は含まれているとはいえ、やはり甘い食べ物には多量の砂糖(ショ糖)が含まれています。
ミュータンス菌は、糖質の中でも特に砂糖を培地としてネバネバした物質(不溶性グルカン)を作りだし、歯にくっつきます。
また砂糖は、量よりもどれだけ長く口の中に停滞しているかが問題となります。
たとえば、アイスクリームのように、甘いけれど口の中に停滞しにくい食べ物よりも、ガムやキャラメル、ケーキなどのように口に残りやすい食べ物のほうが良くないといえるのです。
また、甘い食べ物はあまり食べなくても、コーヒーに砂糖をいれたり、ジュースや清涼飲料水を好んで飲む人も知らず知らずに砂糖を多くとっていることになります。
ブラッシングが苦手
食べかすやプラークを取りのぞくためにプラークコントロール(ブラッシング)が重要であることは言うまでもありません。
食後に歯をみがかずに次の食事をとるのは、食器を洗わずに次のごはんをよそうことと同じなのです。
口は体の入り口です。食後はきれいに歯をみがき、細菌のくっついたプラークを次の食事で体の中に入れないように心がけましょう。
年齢によるリスクの変化
一生を通じて口の中の環境や歯の性質は変化していきます。
それにより、虫歯に対するリスクも大きく変わってきます。
年齢 | 口の中の環境とリスク | |
---|---|---|
0 | 乳歯列期~ 混合歯列期 |
・未成熟なエナメル質・・・酸に抵抗力が弱い ・唾液腺の未発達・・・唾液量が少なく、成分が未成熟 ・頻度の高い食事・・・脱灰時間が長い |
10 | 中高生 | ・生活習慣の乱れ・・・不規則な食生活、ブラッシングの怠惰 ・不定期な来院 |
20 | 成人期 | ・歯質は成熟・・・酸に対する抵抗は高まる |
30 40 50 |
妊娠期(女性) | ・唾液phの低下・・・脱灰しやすい ・内分泌機能の変化・・・妊娠性歯肉炎などを起こしやすい ・生活習慣の乱れ・・・不規則な食生活、不十分なブラッシングなど |
60 | 高齢期 | ・唾液分泌量の低下・・・加齢、全身疾患、服薬などの影響 ・歯の根の露出・・・根はエナメル質よりも酸に弱い ・咀嚼機能の低下 ・飲食回数の増加 ・ソフトフードの摂取習慣 |